- DLsiteで支払い調書が発行された
- 同人ゲームの確定申告の準備をしている
- 確定申告の準備で計算が合わなくて困っている
こんな方に向けて書いています。
同人ゲームを販売して利益が出ると、その利益の額を確定申告して税金を納めなければなりません。
毎年2月16日~3月15日は同人ゲームクリエイターさん達も結構大変な思いをするのではないでしょうか。
なお、DLsite様では毎月の売上の額と支払い調書の額を確認できるようになっているので、比較的簡単に手続きを進めることができます。
しかし、実際に手続きを進めてみると困ったことが…。
DLsite様の売上明細書の合計額と支払調書の額が一致しないのです。
今回は、2020年度に私が確定申告手続きを進めてみて困ったことのうち、このDLsite様の支払い調書の問題についてみていきたいと思います。
※あくまでも2020年度分のシステムであり、2021年度以降は改善されている可能性があります。
■この記事の執筆者(管理人)
- 実績1:学生時代から10年以上ゲーム開発に取り組む
- 実績2:フリーゲームの累計DL数30万以上
- 実績3:同人ゲームの累計販売本数1万本以上
学生時代からゲーム開発に取り組み「Majestic Saga」や「月下草」などのゲーム開発で累計DL数30万以上突破。作品はプログラミングコンテスト最優秀賞受賞歴があります。現在は別の本業を持ちつつ、同人ゲーム開発やインディーゲーム開発に取り組んでいます。
DLsite様の売上明細書と支払い調書

まず、DLsite様はサークルページの売上確認の箇所で売上明細と支払調書を確認できるようになっています。
確定申告書の作成の際には、これらの書類を元に計算していくことになります。
売上明細書

DLsite様の売上明細書はこのような形です。
DLsiteでの売上以外に、アフィリエイトによる報酬も書かれているのが分かります。
また、下の方には源泉徴収額が書かれていることが分かります。
支払い調書
例年1月下旬になると支払い調書を確認できるようになるようです。
スクショは掲載しませんが、一般的な支払い調書と同じような形式だといえるでしょう。
そもそも支払い調書とは?
支払い調書は、「年間で、誰に、どんな内容でいくら支払ったか」を税務署に報告するための書類で、この場合、DLsiteから税務署に対して報告された書類を、DLできるようにしてもらっている形です。
支払い調書を受け取る側(同人作家側)は、この書類で年間の受取額を確認できますが、源泉徴収票のように、確定申告時に税務署に提出しなければいけないものではありません。
ちなみに、支払い調書の額は必ずしも正確な額ではないことがあるようですよ。
DLsite発行の支払い調書が間違っていることは(たぶん)ないと思いますが、あくまでも参考程度の資料と考えるとよいでしょう。
売上明細書の合計額と支払い調書の額が異なる?
支払い調書は1年間の収入の額の合計ですから、1~12月の売上明細書の合計額と同じになるはずです。
ところが、DLsite様の1~12月の売上明細書の合計額と支払い調書の額を見比べてみると、同じ額になりません。
支払い調書は誤っていることもあるようなので、気にせず売上明細書で進めていいのか…?と思ったものですが、ちゃんとルール通りに計算すれば合致するようになっています。
特に以下2点を押さえておくとよいでしょう。
- 売上としては前々年12月~前年11月分までが対象
- アフィリエイト報酬額は対象外
売上としては前々年12月~前年11月分までが対象
まず、支払い調書は1~12月分の振込額が対象となるため、売上明細書では前年12月~11月が対象となります。
DLsiteヘルプ-支払調書の金額が昨年の売上と一致しません
アフィリエイト報酬額は対象外
また、売上明細書にはアフィリエイト報酬額が記載されていますが、アフィリエイト報酬は源泉徴収対象外であり、支払い調書に加算されないようです。
つまり、DLsite様の支払い調書の額は毎月の売上明細の売上部分のみを加算して算出すれば合致することになります。
ちょっとややこしいですよね。
会計的には、支払い調書の額とは別にアフィリエイトの額の合計額を収入に加算すればよいかと思います。
確定申告はクラウド会計サービスがおすすめ
なお、サラリーマンの方でも、個人事業主の方でも、同人ゲームの売上は自分で確定申告しなくてはなりません(サラリーマンの方の場合、年間の売上が20万円を超えた場合)。
確定申告の時期になって、慌てて売上や外注費を計算すると大変なので、できれば毎月会計処理しておくのがおすすめです。
今はfreeeなどのクラウド会計サービスが充実しており、小規模であれば税理士さんなど雇うことなく、比較的簡単に自分で確定申告できてしまいます。
税理士さんに確定申告をお願いすると20万円程度はかかってしまうことを考えると、無料で利用できるメリットは大きいでしょう。
今のうちに登録してみてはいかがでしょうか。
なお、確定申告の流れなど、以下記事で解説しています。
