- 初めて同人ゲームをリリースして売上がある
- 自分が確定申告する必要があるのか分からない
- どのように手続きを進めればいいか分からない
こんなお悩みを解決します。
DLsiteやFANZAで同人ゲームをリリースして利益が出ると、自分で確定申告して税金を納めなければなりません。
利益が出ているのにも関わらず、確定申告せずにいると罰則を受けることに。
管理人はもちろん、毎年しっかり利益額を計算して確定申告しております。
この記事では、昨年同人ゲームをリリースした方に向けて、確定申告の基本や具体的な確定申告の方法などお伝えしていきます。
■この記事の執筆者(管理人)
- 実績1:学生時代から10年以上ゲーム開発に取り組む
- 実績2:フリーゲームの累計DL数30万以上
- 実績3:同人ゲームの累計販売本数1.5万本以上
学生時代からゲーム開発に取り組み「Majestic Saga」や「月下草」などのゲーム開発で累計DL数30万以上突破。作品はプログラミングコンテスト最優秀賞受賞歴があります。現在は別の本業を持ちつつ、同人ゲーム開発やインディーゲーム開発に取り組んでいます。
利益がいくら出ると確定申告する必要がある?
そもそも、利益がいくら以上あると確定申告する必要があるのでしょうか?
サラリーマンの方は利益(所得)20万円以上で確定申告が必要
まず、サラリーマンで給与所得のある方は利益20万円以上で確定申告が必要になります。
逆にいえば、20万円以下だと確定申告はしなくてもよいこととなっています。
ここでいう利益とは所得のことで、収入から経費を差し引いた額です。
ただし、副業を複数持っているようなケースでは、それらを合算した額が対象となります。
個人事業主の方は合計所得48万円以上で確定申告が必要
次に、個人事業主の方は合計所得48万円以上で確定申告が必要となります。
合計所得とは、雑所得や事業所得などを合算した額のことです。
赤字の場合でも確定申告しておいたほうがよい
同人活動の結果、赤字だった場合は確定申告する必要はありません。ただし、赤字の場合でも確定申告しておいたほうが安心でしょう。
確定申告しないと、税務署からすると脱税しているのか、利益がないから確定申告していないのかの見分けがつきません。場合によっては、実際には利益があるのに、利益がないと思い込んでいたといったケースも考えられるでしょう。
こうした場合、後で税務調査に入られると言い逃れができません。
また、仮に確定申告しないにしても、請求書や領収書などはとっておくことが大切です。
- サラリーマンの方は所得20万円以上で確定申告が必要
- 個人事業主の方は所得48万円以上で確定申告が必要
- 赤字の場合でも確定申告しておいたほうがベター
確定申告の流れ
確定申告の流れは以下の通りです。
- 資料準備
- 申告書作成
- 申告書提出
- 納税・還付
それぞれ見ていきましょう。
資料準備
まずは確定申告に必要な資料を準備します。
例えば、同人活動に必要な備品を購入したときの領収書や、イラストレーターさんやライターさん、プログラマーさんに外注したときの請求書、それらが分かる通帳のコピーやクレジットカードの明細書などがあるとよいでしょう。
こうした経費関係は、同人活動専用の銀行口座やクレジットカードを作成しておくと便利です。
申告書作成
資料の準備ができたら、確定申告書を作成します。
申告書は、税務署で紙の申告書が貰えるほか、DLして印刷することもできますし、e-Taxを使えばWeb上で確定申告書を作成することも可能です。
ちなみに、freeeなどのクラウド会計ソフトを使うと簡単に申告書を作成できるので、おすすめです。
申告書提出
申告書の作成が済んだら、税務署に申告書を提出します。所得税の申告期間は例年2月16日~3月15日です。
土日を挟むと後ろ倒しとなりますが、2022年はいずれも平日となるため、2月16日から3月15日までで変わりありません。
ただし、新型コロナウイルスの影響で、4月までなど期間が延長される可能性は高いでしょう。
なお、申告書の提出方法には以下のようなものがあります。
- 持参
- 郵送
- e-Tax
e-Taxを使えば自宅からでも確定申告できるのでおすすめです。
ただし、管理人も2021年はe-Taxで確定申告しましたが、マイナンバーカードを用意して、カードリーダーに読み込ませる必要があり、そのために国税庁(?)の用意するソフトをいくつかダウンロードして…などかなり手間がかかった覚えがあります。
e-Taxを考えている方は、余裕を持って確定申告を済ませておくのがおすすめです。
納税・還付
申告書提出後は、申告の内容に沿って納税したり、還付を受けたりします。納税の場合、その期限は申告書の提出期限と同じく3月15日まで。
還付の場合は、申告後1カ月程度で指定した口座に還付金が振り込まれます。
ちなみに、所得税の確定申告を済ませると、自動的に住民税の確定申告もなされます。
サラリーマンの方で、職場に同人活動(副業)していることがばれたくない、という方は給与天引きでなく、納税者が直接住民税を納める「普通徴収」を選ぶようにしましょう。
番外編:DLsite様の支払い調書と1~12月の合計額が一致しない件
DLsite様の売上明細書と支払い調書
まず、DLsite様はサークルページの売上確認の箇所で売上明細と支払調書を確認できるようになっています。
確定申告書の作成の際には、これらの書類を元に計算していくことになります。
売上明細書
DLsite様の売上明細書はこのような形です。
DLsiteでの売上以外に、アフィリエイトによる報酬も書かれているのが分かります。
また、下の方には源泉徴収額が書かれていることが分かります。
支払い調書
例年1月下旬になると支払い調書を確認できるようになるようです。
スクショは掲載しませんが、一般的な支払い調書と同じような形式だといえるでしょう。
そもそも支払い調書とは?
支払い調書は、「年間で、誰に、どんな内容でいくら支払ったか」を税務署に報告するための書類で、この場合、DLsiteから税務署に対して報告された書類を、DLできるようにしてもらっている形です。
支払い調書を受け取る側(同人作家側)は、この書類で年間の受取額を確認できますが、源泉徴収票のように、確定申告時に税務署に提出しなければいけないものではありません。
ちなみに、支払い調書の額は必ずしも正確な額ではないことがあるようですよ。
DLsite発行の支払い調書が間違っていることは(たぶん)ないと思いますが、あくまでも参考程度の資料と考えるとよいでしょう。
売上明細書の合計額と支払い調書の額が異なる?
支払い調書は1年間の収入の額の合計ですから、1~12月の売上明細書の合計額と同じになるはずです。
ところが、DLsite様の1~12月の売上明細書の合計額と支払い調書の額を見比べてみると、同じ額になりません。
支払い調書は誤っていることもあるようなので、気にせず売上明細書で進めていいのか…?と思ったものですが、ちゃんとルール通りに計算すれば合致するようになっています。
特に以下2点を押さえておくとよいでしょう。
- 売上としては前々年12月~前年11月分までが対象
- アフィリエイト報酬額は対象外
売上としては前々年12月~前年11月分までが対象
まず、支払い調書は1~12月分の振込額が対象となるため、売上明細書では前年12月~11月が対象となります。
DLsiteヘルプ-支払調書の金額が昨年の売上と一致しません
アフィリエイト報酬額は対象外
また、売上明細書にはアフィリエイト報酬額が記載されていますが、アフィリエイト報酬は源泉徴収対象外であり、支払い調書に加算されないようです。
つまり、DLsite様の支払い調書の額は毎月の売上明細の売上部分のみを加算して算出すれば合致することになります。
ちょっとややこしいですよね。
会計的には、支払い調書の額とは別にアフィリエイトの額の合計額を収入に加算すればよいかと思います。
まとめ
同人ゲーム制作に取り組んでいる方に向けて、確定申告についてお伝えしました。
管理人の経験から書いていることであり、実際とは異なるケースも考えられます。
ここに記載されていることは参考程度にしていただき、分からない部分については必要に応じて税務署の方に聞いたり、税理士に相談したりするようにしましょう。
なお、このサイトでは、同人ゲームの作り方や各種素材もご紹介しているので、同人ゲーム制作に取り組んでいる方はぜひ参考になさってください。